向田邦子と聞くと敏感に反応してしまうのは私だけでしょうか。
彼女の作品は、お堅い家族像を題材にしたイメージがあるのですが、登場人物の女性が色っぽいんです。
表立ったエロではなくて、秘め事にするからエロさが増すのでしょうか?
向田さんって独身のまま亡くなられましたが、恋愛上級者だったんでしょうね。
ご紹介する本について
発行元:新潮社
著者:向田邦子さん、妹の和子さん
1章~5章に渡って主に向田邦子さんが愛した衣食住について綴られています。
貴重な写真も豊富に付いているのも良いですよね。
5章では妹の和子さんが姉邦子さんの素顔を語っています。
和子さんは向田家の末っ子で長女の邦子さんに一番かわいがられたそうです。
またご紹介したいと思いますが、和子さんのエッセイも味があって大好きです。
独特の文才の持ち主だと思います。
私の感想
もう10年以上前から私の本棚に居座っている本なのですが、度々取っては眺めていました。
最近ミニマリストや、モノに執着しない生き方が注目される中で、改めてこの本を読んで見て思いました。
向田邦子さんってマキシマリスト?なのかも知れないと。
例えば、旅先のタイから持ち帰った宗胡録。
1個買うより駄もの安物でも80個買う方が面白いと。
また、骨董品の収集もされていたようですね。
独り暮らしを始めた頃は、デパートで既製品のモダンな無地の食器を使っていたのですが、直ぐに味気無さを感じたと。
彼女がお気に入りだった食器も掲載されていますが、茶道具が多いという印象です。
自由に見立てて生活様式に合った普段使いを楽しまれていたようです。
私もちょっとだけ、茶道をかじったものとしてその気持ちが分かります。
お茶碗もそうですが、菓子入れ、香合、お棗、茶杓、こだわり出したら幾らあってもお金が足りない。
茶道って本当は物欲の塊か?って思いました。
掘り出し物を所有したい気持ち少なからず分かりますが、向田邦子さんと私のお財布の中身は全く違うから下手に共感は出来ませんけどね。
それから、向田邦子さんのお料理の腕前はちょっとした居酒屋の女将です。
お酒がお好きなようで、酒のつまみのような一品ものを沢山ご紹介されていました。
妹の和子さんが営んでいた居酒屋さんにも邦子さんの味が再現されていたのでしょうね。
一度行ってみたかった・・・。
本棚に一冊、いい女になるきっかけになりますよ。
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